ケア提供者になるためのトレーンング~上智大学グリーフケア研究所での学び①

上智大学グリーフケア研究所。聴くトレーニング

今なにを感じているか~考えではなく「感情」を感じるトレーニング

2012年から2年間

上智大学グリーフケア研究所で

「グリーフケア」「スピリチュアルケア」を

学んでおりました。

 

グループワークでの語りを通して

自分は今何を感じているのか、

どういう感覚を抱いているのか

身体感覚は?どんなイメージが浮かぶか

など、

頭で分析する「考え」「思考」と

身体や心で感じる「感情」をできるだけ区別し、

感じている感情を分かち合う

というトレーニングをしました。

 

※グループで分かち合った話の内容は、守秘義務が課せられます。

同じメンバーであってもグループを離れた後、

例えば帰りの電車内などで「あの時・・・」などと

延長するのは禁止されています。

当然、別のグループのメンバーに話すことも禁止です。

話し残したことがある場合は先生に相談し、

グループ内で話すことになっています。

 

 

グループワークの概要


少人数のグループに分かれて、

それぞれのグループには指導の先生がついて

その時に話す予定の人が約20分

自分のことについて話します。

 

題材はその時によって違うのですが

家族のメンバー、生育歴などです。

 

話し手はあらかじめどんなことを話すか

準備はしますが、

必ずしも原稿を読まないといけないわけではなく、

原稿なしで

その場の雰囲気で

「聴いてもらっている」

という実感を感じながら

話します。

 

話す予定でなかったことを話す場合や、

話そうと思っていたけど

話せない場合など

予想している通りにいくとは限りません。

 

話し手、聴き手双方の

ダイナミズムによって

変わってきます。

 

聴き手の感情 話を聴いて感じている感情


話の内容によっては

「この人はおかしいんじゃないか」

「どうしてもっとこういう風にしなかったんだろう」

「こうすればいいのに」

など、自分の考えで

アドバイスしたくなったり

間違いを指摘したくなったります。

 

この訓練は

自分の感情を見つめ、開示することです。

アドバイスをしたくなったその気持ちの根底には

どのような感情があるのか

ということを見つめないといけません。

 

「応援したい」

という気持ちなのか

「私は経験豊富だから話を聞いてほしい。すごいと思われたい」

のか。

 

大切な人との死別など

その人にとって辛い体験を話す人も多いです。

話を聴いていろいろな気持ちがわいてきます。

 

「涙が止まらなかった」

「腹が立った」

「話してくれた〇〇さんが、どうなるのか心配になった」

「胸がどきどきして、次はどうなるのかと不安を感じながら聴いた」

「しんどくて、身動きがとれない、息苦しい感じ」

「話の内容は壮絶だけど、話し手から強さや存在感、温かさを感じほっとした」

「涙を流す〇〇さんを見て、私も涙が出た。打ち明けてくれたことに親近感を感じ、嬉しかった」

 

 

などが感情です。

「考え」と「感情」を区別するのは

最初はとても難しく感じたように思います。

 

普段そのような区別をすることが

ないので当然ですが、

どうしても話の内容の「感想」を言ってしまいそうになります。

「感想」は話の内容に対して自分が思うことです。

そうではなく、

話の内容、話し手の言葉、表情、態度、たたずまい、

あらゆることから

「自分の心に何を感じたか。」です。

 

考えと感情が区別できなくて

「わからない」

「もどかしい」

というのも正直な感情です。

 

自分が話し手となった時


私の場合ですが、

英語講師の仕事をしていて

日頃から授業のため人前に立つのですが、

授業以上に緊張したのを覚えています。

 

振り返ればあまり感情が入らずに

しゃべったように思います。

 

原稿を用意して読んだ時と、

用意しても原稿なしで話した時と

両方ありますが、

原稿を書いたときには

気持ちが入っていたのに

いざ発表となると

あまり気持ちが入らなかったということが起こりました。

 

あれから数年、

研究所を修了してからも

同様のグループワークに何度か参加してきましたが

最初は「自己開示」が難しかったのだと思います。

語った内容や事象は

一見壮絶でいろんな情報を話したのですが、

自分の気持ちに関しては

自己開示できない部分もあったように思います。

 

話し手に対しても

メンバーに「聴いてもらってどう感じたか」

と訊かれます。

正直にどんな感情を感じたか

分かち合います。

 

聴き手も話し手も

「どのように感じたか」

という自分の気持ちを感じることが

初期に行うトレーニングです。
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