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グリーフケアって何?

グリーフケアについて

グリーフとは悲嘆のこと

質問
ねえねえ、グリーフって何?
答え
グリーフは「悲嘆」っていう意味やねんで。文字通り「嘆き悲しむ」こと。それがグリーフ、悲嘆。

 

 

悲嘆とは「悲しい」「嘆く」という漢字で表現されていますが、嘆き悲しむということ

大切な人との別れや、大切にしていた物、環境の喪失などを体験し、どうしようもないくらい悲しい、苦しい状態のことを言います。

その悲しみを癒していく作業をグリーフケア、グリーフワークといいます。

 

原因は大切な人・物を失う「喪失体験」

人は誰でも、自分にとって大切なものを失ったら辛く悲しい気分を抱きます。

それは人間としてごく自然なことです。

人によってはその辛さがすぐに過ぎ去り、日常に戻れる人もいれば、ずっと尾を引き、家事や仕事が手につかない状態になってしまう人もいます。

同じ喪失体験でも人によって反応が違います。ではその喪失とはどんなものがあるでしょうか?

喪失の種類

死別

離別

離婚

ペットを失う

災害で住環境を失う

プライバシーの喪失

人から裏切られたり、人への信頼の喪失

自分に対する自尊心の喪失

頭髪の喪失

若さの喪失

四肢の切断など身体機能の喪失

流産・死産・中絶

卒業や結婚などによるそれまでの生活習慣の喪失

子どもが巣立っていく喪失

家族が年老いていく喪失

安全の喪失

経済的破綻

リストラ

退職

就活の失敗

人に騙されること

虐待

大事なものを無くす

記憶が無くなる

という風に、挙げればきりがありません。

生きていたら常に喪失体験の連続。

この世には「時間」が存在し、「時間」は移ろいゆくものごとの変化そのものを表します。

一瞬一瞬が「恵み」であり、「喪失」でもあります。

例えば「結婚」「卒業」は一般的にはハッピーなイメージを抱くことが多いですが、結婚は「独身生活の喪失」「自由の喪失」、卒業であれば「友人や恩師との別れ」「学生生活の喪失」でもあります。

同じ一つの出来事であっても「恵み」と「喪失」の両面を備えており、受け取る人間の意識によってとらえ方が変わります。

 

人間みんなが喪失体験者

生きている人間全員が毎日なんらかの喪失をしているということになりますね。

喪失の種類によってはそれほど自身の心に影響がないものもあります。

逆にその喪失が原因で毎日どうすればいいかわからないくらいしんどくなってしまうこともあります。

それが「グリーフ」「悲嘆」に陥っている状態で、病気ではなく人間として当たり前の反応です。

そういった状態に対応するのが「グリーフケア」になります。

※グリーフ自体は病気ではありませんが、人によってうつなどの病気も同時に抱える場合もあります。

 

グリーフケア・グリーフワークとは悲しみを癒していく営みであり、悲しみを抱えたままの自分で生きていくためのもの

亡くなった人、亡くした物を嘆き悲しむのが「グリーフ」「悲嘆」です。

我が国では「グリーフケア」というと大切な人を亡くした方へのケアを指す場合がほとんどですが、「グリーフ」を抱くのは死別だけではありません。

自分にとってとても大切であったからこそ、その人がいない、その物がない環境に適応して生きていくには、長い時間がかかることがほとんどです。

どうやって生きていけばいいのか

毎日毎日、頭の中を駆け巡るのは過去の思い出ばかり

あの時もっとこうしていれば

あの時あんな言葉をかけていれば

もっとやりたいこと、行きたいところがあったのに

もっと知りたいこともあったのに

考えても考えても辛い気持ちは簡単にはらくになりません。しかしこのように自身の悲しみ、グリーフと向き合い、深めていく作業を「グリーフワーク」といいます。

心を見つめていく過程で、悲しい苦しいだけでなく、喜びや幸せ、亡くなった人との新たな絆や繋がりが生まれ、関係性が変化するなどということが起こります。

故人に手紙を書いたり、仏壇に話しかけるといったこともグリーフワークです。

一人でできる「グリーフケア」ですね。

一方、同じ体験者同士集まって語り合うことも「グリーフケア」ですし、専門家に話を聴いてもらうことも「グリーフケア」です。

グリーフの度合いが重くなるか軽くなるかは、その人自身の生育歴からくるものの考え方や、「レジリエンス」といった困難に対処するその人の力、周りに助けを求められるか一人で抱え込む性格なのか、といったことにも影響されます。

同時に複数の喪失体験を抱えていたり、一つの喪失体験が元で過去の喪失(意識の隅に追いやっていた心の傷など)が芋ずる式に表出するということもあります。

誰もが体験する「喪失」ですが、誰かが深い悲しみを抱いている時、みんながみんなその人に適切に対応できるかというと難しいのですね。

それどころか余計な一言を発したばかりに傷つけてしまうこともとても多いのです。

深い悲しみを抱えた人の話を、逃げないで真剣に聴ける人の数が少ない現状。だからこそしっかりとした訓練を受けた専門家の存在はこれから必要とされるでしょう。

グリーフケアについてもっと知識が欲しいという方に、こちらの本がおすすめです。

上智大学グリーフケア研究所でお世話になっております。髙木慶子(よしこ)先生の本です。

グリーフケア入門: 悲嘆のさなかにある人を支える

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以上、読んでくださりありがとうございました。

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