スピリチュアルケア・グリーフケアと他の仕事は両立できるのか

アイキャッチ画像は「マズローの自己実現欲求」を元に作成しました。

スピリチュアルケアの仕事で食べている人はまだまだほんの一握り

一部のチャプレンやパストラスケアワーカー、臨床宗教師といった方のみです。

医療職である看護師や宗教家(牧師やシスター、僧侶や神主など)、福祉職に就いている方や、臨床心理士やカウンセラーなど、ご自身の本職がすでにあり、プラスアルファで学び、現場で生かしているという方が多くみられます。

もともとの仕事の中でケアの必要性を感じて、学んだという方たちです。

そういった場合以外に、スピリチュアルケアを本業にしてやっていきたい、あるいは上記の職に就いているけど将来はスピリチュアルケア一本でやっていきたいという人もいるかもしれません。

私の場合はもともと英語講師(2003年から2018年)でした。グリーフケア研究所修了後は英語講師の仕事とボランティア活動(遺族会やNPO法人他)の両方を約5年間(2014年から2018年)やってきました。

そして2019年から現在は派遣で事務の仕事をしていますが、グリーフケア・スピリチュアルケアの活動は実質ほとんど休止状態です。

スピリチュアルケア・グリーフケアと、他の仕事は両立できるのかということについて私の体験から述べたいと思います。

最初は両立できていた・・・・がしかし!

英語講師の仕事はその年度が始まる前にある程度スケジュールがわかります。

大学や企業に行って教えるので、曜日と時間が決まっており、夏休みは授業が少ないためテストの採点の仕事がありますが、それも自分の都合で働く日を決めることができます。

時間的には仕事と遺族会などのボランティア活動は両立ができていました。※だたボランティア活動は毎週ではないにしろ土日が多かったので夫はあまりいい顔はしなかったです。

年月が経つにつれだんだんしんどくなってきました。精神的にです。

どういうことかというと、スピリチュアルケアを深めていくと、「本当の自分」「真の自己」のようなものがどうしてもうずいてくるのです。

その「真の自己」と世間の価値観の「ずれ」が大きくなってきます。

「仕事」というのは「世間の価値観」に沿ったものですから、心の深いところでは「こんなことしたくない」と思っているのにやらないといけないのですね。それがしんどい。自己不一致です。

自分を深める以前は(といっても10年以上も前ですが)私自身も世間の価値観にどっぷりつかっていて、疑問を持っていなかったので、価値観が合わないという苦しさを抱くことはありませんでした。

ゲシュタルト療法「5層1核」の図から。自己成長が進むと世間の価値観と合わなくなる

※これについては別の記事で説明します。

世間の人の多くは①の決まり文句の層と②の役割の層の中で日常を生きているそうです。

③、④、⑤と心を深めるにつれ「真の自己」に近づいていくのですが、深める作業というのが「自分を見つめる」ことになりますね。

辛い記憶に向き合ったり、自分の嫌なところに向き合ったりと、感情が大きく揺さぶられますし、取り組むこと自体ものすごくエネルギーのいることです。

自分をもっと深めようと意識して取り組まずとも、意図せずに深めざるを得なくなる人もいます。

日常生活で大変な出来事に遭遇するなど試練に遭うと自己に向き合いますよね。

しかし人によっては大きな出来事に遭ったとしても、向き合うのが辛すぎるので、避けるように過ごしてしまう場合もあります。そういった場合は進んで行きません。

普通、世間一般の仕事というのは②の役割の層で生きていればどうにか過ごせてしまいます。

役割の層に留まって、大人しく業務をこなしてくれたら問題ない、というか都合がいい。働く側もその枠の中にいたら自分な本音に向き合わずに過ごせるから、らくといえばらくです。

③、④、⑤なんかに進んで感情を出されたり、あれはおかしいこれはおかしいなどと他者ペースを考えずに主張されてしまったら、仕事が滞ってしまい、困りますね。

だから仕事の場では②に留まることが当たり前のようになっています。

しかし一方自分の心は「真の自己」に向かって薄皮を剥ぐように、心に抱えていた傷だったり、思い込みだったり、メンタルブロックだったりを開放して、自由になっていきます。

自分に対して正直になり、他人に対しても誠実な態度で接することができるようになってきます。私自身、学生時代は人間関係でいろいろと悩み、苦労をしましたが、心が開けてくるとコミュニケーションが苦にならなくなってくるのです。

いやな人が減ります。他者から傷つけられるというのは、自分が自分に対して責めていたりダメだと思っていたりするからなのですね。

スピリチュアルケアを通して癒しが深まると本当に嫌な人が減るのです。自分で自分を受け入れた分、他者からも受け入れられます。周りは自分の心の反映ということですね。

 

図を見ていただくとわかりますが、「行き詰まり」「内破」「外破」という言葉が続いています。

真の自己に到達し、本当の自分の生き方をスタートさせるまでにはしんどい思いをするのであろうということが、これらの言葉からわかります。

自分の壁を突破しないといけないのです。英語講師時代も、今の派遣の仕事も、人間関係だけを見ると居心地がいいのですね。

そう、居心地がいい。

だからこそ、先に進もうと思ったら迷いが出ます。

やっている仕事の内容はもう自分自身の価値観とは合わない

自分の心が浄化されていくと、周りの環境も良くなってはいくのです。しかしまだまだ向き合うべき「自分」はいて、外の現象に現れます。

そういった現象の一つが「仕事」ではないでしょうか。

これをずっとやっていきたいとは思わない。

本当にやりたいスピリチュアルケアとも重ならず、むしろ逆。特に「形」「枠」の中で決まったことのみしかやってはいけない仕事。

私は自由にやっていきたいし、人がその人らしく自由に生きていけるようサポートするのがスピリチュアルケアでもあるので、真逆のことをやらなければならないしんどさなのです。

仕事中、人と話すことでどうにか保っていますが、とてつもなくエネルギーを取られてしまいます。

今はパート勤務にしてもらったので、週に1度でもスピリチュアルケアのボランティアに行こうと思えば行けるのです。スケジュール的には可能であるにも関わらず、行けそうにありません。

「いつまでにあれを終わらせないと」「あれとこれを準備しとかないと」など仕事のことが気になってしまうのですね。

ぱっと行って帰ったらすぐに仕事のことが忘れられればいいですが、派遣のはずなのにやることが多岐に渡っていて覚えることが多すぎる。責任ものしかかってくる。

頭が容量オーバー気味なので、ボランティアに行って面談をしていてもきっと目の前の人の話に耳を傾けられないのではないかと思ってしまうのです。

スピリチュアルケアは自分の存在全てをかけて相手に向き合うこと

どうしようもない苦しみ、解決できない問いを抱える方のお話しを、片手間で聴くことはできません。

スピリチュアルケアはその場で自分の存在全てを相手に捧げる仕事です。対面している時間は短いかもしれませんが、相手の生死の問題と向き合います。

本業でやっていきたいのはスピリチュアルケアの活動です。

しかし、現状でまだそれで食べていくことが難しいので、別の仕事をしながらということになりますエネルギーロスの少ない仕事にすることが活動を続けていく上で必須でしょう。

手を抜ける仕事という意味ではなく、仕事自体は最善を尽くすことがもちろん重要ですが、いちいち神経を持っていかれない内容であることが大切かと思います。

心理的なストレスにならないことでないといけません。ストレスになるとそっちの問題がどうしても気になってしまって人の話が聴けなくなります。

ある程度収入が得られて経済的に「安心」でき、スピリチュアルケアをやれるだけの「余力」も残しておける。

 

スピリチュアルケア・グリーフケアの活動と仕事を両立してやっているみなさんはどうなのでしょうか?

読んでくださりありがとうございました。

 

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