この記事も2012年に書いたものです。
鎮静剤の副作用による「離人症状」は地獄そのものだったが、
睡眠薬のおかげで次の日はほぼ、元の状態に戻っていた。
「もしかして、昨日の変なのは夢?」と思ったが、
首や肩が筋肉痛になっていたので現実だったのだと認識した。
数日前に体験したようなぼ~っとした感じは少しあったが、
また別の世界?に繋がってしまうのは懲り懲りだったので
繋がらないように気を張っていた。
それでも、夜中に夢をみてナースコールを押し、
「水は守ってくれる」などと言ってしまった。
変性意識、神秘体験というものはもう経験しなかったが、
人生についてよく考えるようになった。
「罪を憎んで人を憎まず」
周りの人、一人ひとりがとても愛しく感じた。
間違いを犯さない人間なんて一人もいない。
間違いながらみんな生きている。
少し前に見たテレビのニュースでの殺人犯の言葉を思い出した。
「人間ではなく、砂人形だから殺した。」
前日、副作用で感情が喪失したときに感じた感情と似ている。
昼間は精神的に落ち着いていて、
哲学的なことを考えたり、
周りに感謝する気持ちが強かった。
しかし、夜になると不安になることが多くなった。
自分のことというより、家族のこと。
見舞いに来てくれるのは嬉しいが、
帰りの車で事故に遭ったらどうしようとか、
家が火事になったらどうしようとか・・・・。
不安が高じて思い込みが激しくなり、
妄想となってしまうことも少ないがあった。
入院自体が非日常的なため、色々な精神状態を経験した。
と、そんなとき母から嬉しい知らせを聞いた。
妹が妊娠したとのこと。
私はそれを聞いてはっとした。
高熱と頭痛で自宅で苦しんでいる時、
「輪廻転生」という四文字が
何度も何度も頭に浮かんだことを思い出したのだ。
亡くなった子の生まれ変わりかもしれない。
とても嬉しくなった。
予定日は亡くなった子より2ヵ月半遅い。
お腹にいる時期がちょっとかぶってるけど、
「お母さんをえらぶあかちゃん」
という本では妊娠初期にはどの家の子になろうかと出たり入ったりしているとも書いてあったし、と会うことのできなかったわが子かもしれないと希望を感じた。
(性別がちがったけど、姪っ子は今5歳。今では生まれ変わりとの感覚はしません。妹に伝えることもありません。)
※2018年5月追記。
亡くなった子は霊になって来てくれていると感じることもあります。生まれ変わったと感じることもあります。
多分一部は生まれ変わり、一部はそばにいます。私の中では江原さんの言う「グループソウル」という概念がしっくりきています。私たちもそうかもしれません。
個として存在している現在の自分とは別に、別の誰かとしてたましいの一部が人生を送っていて、あの世に戻った時に一つに戻って複数人の人生を振り返るのかも。)
生と死に近かったこの時期は不思議な体験をすることが多かった。
周りの何もかもが完璧に動いていて、調和している。
それが宇宙であり、神。
だから全てに意味があり、
シンクロニシティや共時性は普通のこと。
人はそれを「偶然」「たまたま」という言葉で片付けるが、
全てに意味があるのだと感じた。
続きます
⑨退院後、写真を見て・・・