他人に振り回されない自分になり、肩の力を抜いた素の自分で自由にコミュニケーションができたら、人間関係がとてもらくになります。
「イヤだ」と言えない。本当は付き合いたくないのに離れることができない
モラハラやパワハラの根っこは子ども時代にすでにある?
私自身、保育園時代や小学生の頃がそうでした。
一緒にいて害になるような友人(友人という呼び方もしたくないです)と離れることができなかったのです。
思えば幼少期から、自分の欲求を抑え、周りの子の言うことに従うのが当たり前。
例えば三輪車などの遊具で遊ぶ際、いつも私が後ろから押す役。自分が三輪車に乗って「押して」と頼むことができませんでした。
また、おもちゃなどを「貸して」「ちょうだい」と言われ、断ることが苦手でした。本当はイヤなのに。
自分から「貸して」「ちょうだい」と言うこともできませんでした。
お姫様ごっこをするとたいてい「家来役」。
「私もお姫様したい」と言うことができませんでした。
自分を出せずに息苦しかったです。
そのように振る舞ってしまうのは、自分の中の「思い込み」「ビリーフ」が原因ですが、その大半は幼少期の環境によって作られます。
私の場合は両親がまさに他人軸で、他人の目を優先するあまり、自己主張が出来ない人間で、子どもの自分も無意識に同じように振る舞うようになってしまっていたのです。
友人などの他者とは「主従関係」、友人が「主」で私が「従」です。
相手は命令する役、私は従う役。
もっとひどくなるといじめに発展しますし、加害者と被害者の関係になってしまうでしょう。
不健全な「共依存」関係です。
その後、学生時代は恋人からの「モラハラ」にも悩まされました。
大人になって、心のことに取り組み、自分を大事に扱うことで、「思い込み」「ビリーフ」が解放されていきました。
イヤなことは断れるようになりました。
物事の優先順位も明確になり、他人よりも自分を大事にできるようになりました。
かといって自分勝手になったのではなく、協調性も身に付きました。
自己犠牲ではなく、無理せず他者への思いやりも持てるようになりました。
今では人間関係で困ることはありません。
他人の顔色をうかがうことなく、肩の力を抜き、ありのままの自分で自由にコミュニケーションができるととてもらくです。
「イヤな役ばかり」「人の世話ばかり」
という状態から解放されるには、まずはご自身の「思い込み」「ビリーフ」に気づくことから始まります。
あなたは共依存ではないですか?共依存の特徴22個
・他の人はとてもらくに生きているように見える。自由に振舞えてうらやましい。
・人の目が異常に気になりどうしても行動を制限してしまう。
・自分の好きなようにやるのはいけない気がしてしまう。
・いつも自分の本心を犠牲にして相手に合わせて言いなりになってしまい、後になってどっと疲れていることに気が付く。
・毎回毎回他人の世話ばかりして自分のことはほったらかし。
・人のためだと思って行動しているのになぜか心が満たされない。幸せを感じない。
・自分の人生なのに主体的に生きていくことができない。
幼少期に暴力を受けて育った人や、配偶者からDVを受けたことがあるなど原因が明確な場合もあります。
しかしはっきりとした原因がわからなかったけれども、生育歴を振り返ってみると実は自分の育った家庭が機能不全だったという場合、共依存に陥っていることがあります。
以下、アメリカと日本で長年アダルトチルドレンのケアに携わってこられた西尾和美先生の本を参考にさせていただきました。
共依存とは?
「共依存というのは、自分のことより相手の世話にのめりこんでしまい、人の責任をとってしまうので、その結果、相手をますます無責任にしてしまうような人たちのことをいいます。
いろいろな依存症にはまりこんでやめられなくなっている人たちのまわりには、必ずといっていいほど、それを支える共依存の人たちがいるといわれています。」
※西尾和美著「アダルト・チルドレンと癒し―本当の自分を取りもどす」から引用
共依存とはどのような状態?主な特徴22
1.自らを犠牲にして相手を助けたり、世話したりする
自分のことより、相手の世話のほうを重要だと思いこんでいる。
自分が相手にとって必要な存在になることや、感謝されることを無意識のうちに期待し、また「自分がいなければこの人はだめになってしまう」と、自分が相手にとってなくてはならないものだと思いこむ。
相手から「お返し」がこないと憤然とする。
2.相手の行動、感情、考え方、状況、結果を変えようとコントロールする
なだめたり、怒ったり、頼んだり、罪の意識を植えつけたり、アドバイスしたり、丸めこんだり、おせっかいをして相手を変えようと工夫する。
とらなくてもよい相手の行動の責任はとるが、自分の行動がどのような結果を招いているかは考えない。
3.問題や危機が起こっているような状況や人間関係に身を置きやすい
不安定な、他人中心の生活をし、ハラハラしたり心配しながら生きていないと空虚な感じがして、どうしていいかわからなくなる。
信頼することができないような人に無意識のうちに引かれてしまう。
4.依存心が強く、一人でやっていけるという自信がない
自分に自信がなく、「見捨てられ危機感」におそわれ、一人でいると不安になって、誰か相手が必要になる。
5.考え方、視野がせまい
相手の問題で頭がいっぱいで、地域社会、自然などへの関心がうすくなる。
友だちからも離れ、孤立してしまい、あるのは自分と相手だけのせまい世界になる。
6.現実や事実の否定、否認をする
相手との問題やものごとをありのままに受け入れず、あまりたいしたことでもないように思いこんだり、真実を隠して、表面的にはなにも問題がないように振る舞ったりする。
なにかいやなことが起こると、無意識のうちに、心の奥深くに押しこんでしまう。
7.コミュニケーションの技術に欠ける
相手に自分の言いたいことをはっきり表現したり、自分に必要なものを要求したりできない。
なにかを頼まれると「ノー」と断りたくても、つい「イエス」と言ってしまう。
また、相手や他人の話が中心になり、自分を中心とする話し方ができない。
8.相手とのバウンダリー(境界線)がはっきりしていない
相手からの心的、性的、身体的な侵入を許したり、相手の問題におせっかいにも入り込んだりする。
相手が落ち込んでいるのを見ると、自分も滅入ってしまったり、または、その人の気分を変えようと必死になったりする。
9.自分のからだから出るメッセージに気がつかない
繊細な感情が麻痺してしまっているので、いろいろな感情の適切な表現ができない。
または相手との関係で、なにか変だなと感じたときに、胸がドキドキしたとしてもその注意警報に注目せず、何度も同じことを繰り返す。
10.怒りの問題をもっている
怒りを爆発させるような相手といっしょになって、怒りを恐れにすり替えたり、
または適切な怒りの処理の仕方がわからず、長い間ためておいて突然フラストレーションを爆発させたり、自分より弱い人に八つ当たりしたりする。
かげで相手の悪口やぐちを言うことも多い。
11.忍耐強く待つことができない
相手がなにかをすると反射的に行動したり、せかせかと動き回って余分な心配をする。
相手の不全な行動に対して必要のないがまんはするが、長い目で見てじっくりプランをたてて、じっくりしずかに時を待つということができない。
12.罪の意識によくおそわれる
相手に欠点を指摘されると、すぐに鵜吞みにしてしまう。
相手に問題があるのは自分が悪いからだと思いこみ、自分がもう少し努力すれば、また自分の欠点を直せば相手がよくなるだろう、変わるだろう、愛してくれるだろうと必死になる。
相手を救わないで離れたりすると、ひどい罪悪感におそわれる。
13.ものごとを極端にとらえ、ほどほどにするということができない
小さいできごとと、大きいできごとの見分けがつかず、どちらに対しても同じように極端な対応をしてしまう。
黒か白かはっきりしすぎたり、自分が正しくて相手がまったく間違っているとか、または反対に全部自分のせいだと思いこんでしまい、バランスがとれない。
14.過去のまちがいから学ぶことができない
相手に対する憤慨と憐れみと許しをかわりばんこに繰り返す。
少し互いの関係の調子がよくなると、激しい憤りや悲しみを感じていたことなどを忘れて、相手のよい点思い出される。
こうして、過去に何回も起こった苦い経験から学ぶことができず、同じ間違いを繰り返す
15.被害者意識にとりつかれる
相手を救おうとするがうまくいかないので、相手を責める。
相手を責めても相手は変化しないので、最後に自分はこんなに相手のおかげでみじめになったと被害者意識にとりつかれ、弱々しくなる
16.自分や自分のまわりに害があるのに、波風を立てないようにしようと四苦八苦する
相手を喜ばせようとして相手に合わせ、なんとかして葛藤をさけ、相手が怒らないように、相手が少しでも迷惑に思わないようにと異常な努力をし、和を保つ努力をまわりに強制する。
17.愛情としがみつきを取り違える
愛するということは、相手との人間関係にのめりこむことや、胸がドキドキして相手から離れられなくなることだと思いこんでいる。
18.権威者を恐れる
地位のある相手、権威のある相手、恐そうな相手―たとえば先生、上司、警察官、役人、どなる男などの前に出ると小さくなってしまって声も出なくなるなど、ビクビクしている。
とくにこういう相手から批判されたり、認められないのではないかと恐れる。
19.理想論、ファンタジー(空想)、社会のおきてにとらわれる
「相手はこうすべきだ」「ああすれば当たり前だ」「~するのが普通だ」という建前的な理想論や道徳論にとらわれたり、
「相手はきっと~するだろう」「こうなるはずだ」というファンタジーや、
「社会がこうだから」「みんながああ言うから」と、社会のおきてやまわりのせいにしたりする。
20.相手の気分を敏感に察して、先へ先へと頭を働かせる
常に相手の顔色をうかがって、すばやく相手のムードを読みとり、
先回りして次にどうしたらいいのかと心配するのに忙しく、いま現在起こっていることがつかめなかったり、
いまこのときの人生を楽しむことができない。
21.嘘をつかなくてもよいときに嘘をつく
自分に対して正直になれず、出てくる思考や感情を否定したり、疑ったり、無視したりする。
つく必要のないときに、つい嘘を言って相手をかばったり、その場をとりつくろったり、真実を隠したりする。
22.自己の確立ができていない
自分の力を信じず、相手に幸せになってもらいたいと思っている。
自分の人生の目的や、自分はいったい誰なのかがはっきりせず、自分を大切にできなかったりする。
自分を肯定し受け入れることができず 自己主張できない。
(※以上、22の特徴は「アダルト・チルドレンと癒し―本当の自分を取りもどす」から引用しました。)
などです。すべての項目に当てはまらなくても、複数当てはまれば共依存の可能性があります。
共依存から抜け出すには
共依存の状態に陥っている人の場合、他人の世話をしていて一見うまくいっているように見えることが多いです。
健全な人でも他人の世話はしますし、外に現れた現象だけ見てもわかりにくいのです。
しかし健全な場合は「強制」「自己犠牲」という感覚は抱きません。
上記の22の傾向の中で「私も同じだ」と共通する項目があるかと思います。
どうして、そのように振る舞ってしまうのか?
そのように振る舞う真の理由は何なのか?
自分が我慢をし、自分の気持ちを押し殺し、代わりに何を得ようとしているのか?
一体何のために、自分の本音を押し殺しているのか?
例えば自分を傷つける人を変えたい、どうすればいいか、という問題。
それは自分の中の何が今の状況を作っているのか、
「その人が問題。その人を変えたい」
「私が気に入られるように、怒られないように努力すればいいの?」
と頭で思っていても、ご自身の内面が変わらない限り同じことが繰り返されます。
共依存は「一見うまく行っているように見える」けれど「自己犠牲」
自覚のできない心の深層で「傷つく自分でいる状態」を選択しているのはあなた自身です。
もっとご自身を大切にしていいんです。
幸せを受け取りましょう。我慢から解放されましょう。
本当はどうしたいですか?
本心本音ご自身がしっかりと受け止められたら、周りの状況も変わっていきます。
「心の奥から実感レベルで感じ、ぴったりの言葉に落とし込む」
この作業を繰り返すことで解放に向かっていきます。
「一人カウンセリング」として感じていることをノートに書いたり、PCに打ち込んだりして、文字にすることで気づきが深まることもあります。
一人で取り組むことも可能ですが、「見たくない部分」を見ないよう、無意識の抵抗が働くこともあります。
取り組んでみたものの、限界を感じた場合はカウンセリングをご利用いただけます。
アダルトチルドレン・共依存のカウンセリングが受けられます。
◆「対面」「オンライン」のカウンセリングセッション
女性が対象です。
頭の中で「これが問題」と思っていること
と
本当に言いたいことにズレがあるのです。
セッションは一人ではなかなか気づきにくい本心本音を「実感としてどう感じているのか」を一緒に探るお手伝いです。
アダルトチルドレンや共依存の問題は、根が深いことが多いですが、複数回セッションを受けることで徐々に解放されていきます。
生きづらさ・トラウマケア・グリーフケアの個人セッション(詳細・申し込みページ)
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