カウンセリングの個人セッションや、遺族会でファシリテーターをさせていただいていて、感じたこと。
タイトルにもありますが、相手の辛い気持ち、特に心の底からわきあがってくる感情を拾い上げるには、
聴く側の待つ力、胆力、呼吸の深さ、さらには脳波が聴く力と連動しているように思います。
個別のカウンセリングもそうですが、遺族の分かち合いの場というのは、日常でなされるような会話とは異なり、その人が本当に聴いてほしいことを語る場です。
日常では当たり障りのない芸能人の話や週末何をした等の話がされることが多いかもしれませんが、上記のような場では話す内容は決まっています。
ご自身の大切な思い、特に苦しい胸の内を話されます。
ですが、本当の意味で「話せた」「伝わった」「受け止めてもらった」と感じるには、同じ内容を語るにしても思考優位で「情報を言う」のか「感情を分かち合うのか」、は全然異なります。
人によって、特に抑圧していて、まだ現実を直視できないという場合は、ご家族が亡くなったと話す場合であっても、思考優位で「情報を言う」傾向になります。
辛いと感じていないのではなく、心の奥底ではものすごく辛くて受け止められない状況です。
感情が伴うようになってくると、表層では怒りや悲しみ、寂しさ、悔しさ、孤独感や自責の念、思慕の念など色々な感情が表出されるようになります。
そして、そのような色々な感情が表出されている心のもっと奥に、「本当の思い」があり、その本当の思いをすくい上げる際に、ものすごくしんどくなるのですね。
ご自身でもその思いが何なのか、どんな言葉が当てはまるのか・・・。
怒りは怒りとして感じているのだけれども、その奥にあるものが自分でもつかみ切れておらず、苦しい。
自責の念が消えないが、その奥にある思いは何なのか・・・。
胸の奥から、おなかの奥から、何か重いものが上がってくる感覚だけど、それはどんな思いなのか。
もう少しでつかめそう。
つかめたとしても辛いのは変わらないだろうけど。
「これだ」という本当の気持ちがわかって、それを受け止めてもらった、伝わったという時、本当にほっとするのですね。
辛いこと、苦しいことが減ったわけではないけど、重苦しい気持ちが軽くなるというか。
私自身がケア提供者の訓練の際に、受け止めてもらった体験から。
そして、それは聴く側のカウンセラーやファシリテーターが余計な言葉がけをして邪魔したり、中断するのではなく、ぐっっっ!!と待つ態度でいてくれるからなのです。
グループの分かち合いの場合は、同じ立場の参加者も途中で口を挟まないことが大切で、
場を取り仕切るファシリテーターは特に「胆力」が求められると感じています。
ファシリテーターの在り方は参加者に伝わるので、胆力が無くてブレブレふにゃふにゃ、形だけは「傾聴している」けどなんだか本当に聴いてくれているのかわからない、等という場合は分かち合いの場も乱れるのではないでしょうか。
参加者の方がよっぽど自律し、成熟している場合はうまくいくでしょうが、色々な方が参加するので、中には場を乱す人もゼロではないのですね。
ファシリテーター側、ケア提供者側の胆力が無意識に伝わります。
またトランスパーソナル心理学で有名な吉福伸逸氏もおっしゃっていますが、
セラピストの限界がセッションの限界だと。
セラピストに何らかの抑圧があると、クライアントもその話題を話せないと。
品行方正で優等生的ないかにも「ザ・教科書」的な雰囲気のセラピストがいたとして、その人に自分のどろどろした黒い感情を打ち明けて、果たして目の前が開けるのだろうか、正論で諭されたりぽかんとされたりするのでは?と思いますもん。
さらに、呼吸の深さや脳波も、その場に影響を与えるのではないかと私は感じています。
特に深くゆっくりした呼吸でいることで、相手も徐々にリラックスします。
また、心の奥にあるものを探るには呼吸が浅いとどうしても日常の浅い思考レベルの雑多な事柄に注意が散漫しがちです。
脳波もまた呼吸によって変化しますし、人にも伝わるものです。
例えば、一人で瞑想するよりも、指導者のいる場で大勢で瞑想する方が深く入れます。
おそらく指導者の脳波が伝わり、集団ということも相まってより深く瞑想状態に入れるのでしょうね。
集団であっても指導者のいない全員が瞑想素人の集団ではこういったことは起きないでしょう。瞑想指導者に加えてある程度瞑想に熟達した人が何人かいることも関わってくるのだと思います。
脳波なんて目に見えないのに伝わるの?と思われるかもしれませんが、電気信号が放たれているので伝わるのです。
振り子やメトロノームの同期現象もそれと似ていますね。
複数の振り子、あるいはメトロノームが最初はバラバラに動いていても時間が経つと全部の動きが一緒になっている。
インターブレイン同期といって、他人同士で脳が同期する現象についても研究がされています。
一緒にゲームをすると脳が同期される現象が見られたり。
オーケストラやダンスなど、集団で一つのものを創り上げる際も同期が起こっているらしいです。
また一瞬の判断が要求される武術においても、同期とは異なるかもしれませんが、いわゆるゾーンに入るなど、よく聞きます。
高い集中に入ると、相手の動きがゆっくり見えるなど、脳の情報処理能力が上がり、考えずとも勝手に体が動いている状態です。
無心。個を超えた感覚ですね。
このような高度な脳の働き、ゾーンやフロー状態にある時に、おそらくガンマ波がたくさん出ているのではないでしょうか。素人の想像ですが。
カウンセリングの個人セッションや遺族会などのグループでの分かち合いにおいても、その時間はとても高い集中力を保つことが要求されます。
私の感覚ですが、ある一定レベルの脳の同期が起きているように思います。
脳波は計ったことがないので正確にはわかりませんが、ガンマ波がある程度は出ているのではないでしょうか。
深い瞑想状態で同時に集中力が高まった際に出るのがガンマ波で、瞑想熟練者の脳波だそうです。
脳波を簡単に説明すると、ベータ波が集中時、アルファ波がリラックス時、シータ派がまどろみや瞑想、浅い睡眠時、デルタ波が深い睡眠時。
※ガンマ波は怒っている時にも出ているという情報もあり、ガンマ波の中でも周波数の高低によって異なります。
ガンマ波の集中はベータ波の集中とは異なり、瞑想と同時に集中しており、知覚が広がった感覚。
私が体験した宗教的な覚醒体験や、1週間のスピリチュアルケアの研修の際に感じた自他が地続きとなる感覚が、まさにガンマ波が出ていた状態だったのでは?と思います。
通常の分かち合いではそこまではいかないまでも、ある程度は部分的にガンマ波が出ているのかもしれません。
他者の話に真剣に耳を傾けるカウンセリングやグリーフケア、傾聴は高い集中力が求められます。
無心でいることが求められるのはオーケストラでの演奏や武術とも共通しています。
究極的にはあらゆる仕事や活動がそうなのでしょう。
呼吸で脳波を整えたり、瞑想でガンマ波が出やすい状態にしていくことで、実際のセッションやグループでの分かち合いの際も深く集中できるように思います。
瞑想とガンマ波について調べていたらボブ・フィックスさんの本を見つけました。
クォンタム・エンライトメント 超人生のススメ―量子的悟りのためのガイドブック
早速注文したので読むのが楽しみです。
ボブ・フィックスさんの瞑想CDについても書いています。
関連記事:瞑想の体験④ ボブフィックスさんの瞑想CD。幽体、インナーボディの振動
お読みくださりありがとうございました。

