引き寄せの法則というのは、自分の潜在意識が外の現実を作っているという「創造の法則」でもあります。
引き寄せという言葉からは望みを叶えることにどうしても焦点が当たってしまうのですが、宗教の世界でずっと言われてきている真理です。
現世利益を求めて引き寄せの法則を使いたいという人が多いと思いますが、もっと深淵で奥深いものなのです。
宗教的な教えではもっと重みのある言葉で説明されていると思いますが、そうなるとハードルが高くなってしまいますね。
「自分には関係ない話だわ」と興味を持つ人がとっても少なくなります。
入口が「願望実現」「現世利益」だったら、まさに自分ごとなのでちょっと調べてみよう、本を読んでみようと思う人は多くなりますね。
取っかかりやすいのですが、奥が深く、探っていくと真理に行きつきます。
自分の心が外の世界にどんな風に反映されているのでしょう。
引き寄せの法則と心のケア
スピリチュアルケア・グリーフケアでは1対1で対応する場合と、1対複数で対応する場合があります。
前者が個人セッション・個人面談、
後者がグループセッション・分かち合い、
と呼ばれています。
個人セッション・個人面談でケア提供者の心に浮かぶ感情
これは相手の話を聴いていて、感情が揺れますね。
この感情の揺れが
・自分の抱えているビリーフ(心の傷、価値観、思い込み、偏見)に反応したものであるのか
・相手の心に素直に反応したものであるのか
わかりやすく言うと話を聴きながら涙が出てきた場合、その涙は誰のための涙なのかということ。
自分のための涙ということであれば、そこに自分の課題があるのということ。
相手のための涙であっても、100パーセント純粋に相手のためということはありえず、いくらかは自分のことが入ってしまうもの。
ですので、割合としてどちらかということになります。
引き寄せの法則と心のケア。自分の心と外の世界
あなたはあなた自身のことをどう思っていますか?自分ではなかなかわかりづらいかもしれませんね。
他者からどう扱われるかということが一つのヒントになります。
恋人や配偶者からいつもぞんざいな扱いを受け、傷ついているという場合。
例えば「お前はなんの取り柄もない。」と言われたとします。
「傷つく」という感情体験をするのは
「ああ、ほんとにその通りだ」とその言葉を受け入れたからですね。
自分で自分を傷つける態度をしているから傷つくという結果になります。
そしてこれは、「お前はなんの取り柄もない。」と言われて初めて表層に出てきたものかもしれませんが、
もともと自分への無価値観や自己否定といった深い傷を抱えている所に言われたから「傷つく」という現象が起こっています。
自覚があったにせよ無かったにせよ、もともと潜在意識に抱えていたものです。
それが「こんどは傷手放してね」
「解放してね」
「癒してね」
といって現れ、傷ついた状態から転換するためのもの。
「本当は私は無価値なんかじゃない」
「どんな自分でもそれでいい」
「この私だからこそ愛されて当然。大切にされて当然の存在なんだ」という
という自分を取り戻す、自己受容のための体験でもあるのですね。
自分で自分を責めたり傷つけたりしているから他人から同じような扱いを受ける。
だから自分で自分を愛することが深まっていけば、
ぞんざいに扱われて傷つくということが減っていきます。
自分で自分を大切にしていると他人からも大切にされるようになっていきます。
たとえぞんざいに扱われたとしても、平気でいられるようになっていきます。
他の例では容姿のことを指摘されてどう受け取るか。
自分でも気にしていることであれば傷つきますが、受け入れていれば傷つかないのですね。
容姿のことを指摘されて傷つきはしないけど、その「指摘する」という態度そのものに怒りを感じることもあるでしょう。
そのような場合は例えば、その場の雰囲気を壊したくないから言い返せずに笑顔で対応したなど、身に覚えのある人もいると思います。
そして後になってもやもやしてくる。
何か怒りがこみあげてくる。
そういった場合は、嫌われたくないから我慢してしまうというこれまた自分を大事にしていないという自分への態度がそこで現象化しているということになります。
もちろん人間の心というのは複雑なので、ある部分では自分のことが好きでも、ある部分は気に入らないなどというのは普通にあります。
またバイオリズムによっても、昨日は自分のことが好きだったのに今日はなにもかも否定したくなるなど、不安定になることもあります。
しかし、潜在意識が外の世界に反映されるということは真理です。
他者からの自分への扱いを一つのヒントとして、自分が自分をどれくらい受け入れることができているかを知ることができますね。
相手があなたの反応を引き寄せている
スピリチュアルケア・グリーフケア、そのほかカウンセラー、ヒーラー、セラピスト、宗教家、占い師など人の心に深く接するような仕事をするケア提供者や対人援助職においてもこれは応用できますね。もちろん日常生活にも。
どういうことかというと
私たちは自分の心が反映された世界にそれぞれ住んでいるのですが、それはあなたもそうであり、目の前の人もそうなのですね。
ですから目の前の人の引き寄せているものがあなたでもあるということ。
あなたの反応というのは、その人が引き寄せたものということが言えます。
訓練を通して、感覚が研ぎ澄まされてくると、相談の内容もより心の深いところに入っていきやすくなります。
あなたがケア提供者で、誰かの話を聴いているとします。
相手の話を聴きながら、自分の心の中に色々な気持ちや感覚が浮かんできます。
言葉の情報以外にも色々な感覚、感情が生まれては消えていくのですが、
それは相手の心の中が反映されたものでもあるということ。
相手の鏡になっているのですね。
ですから、自分の心に浮かんだ感覚によって、相手の抱えているものが伝わってくるということ。
あなたは心に浮かんでくる悲しみに涙し、怒りの感情に心臓がドキドキしますね。
それは相手の心をあなたが鏡となって反応しているということで、相手の心の反映でもあるのです。
自我、エゴに影響されると自分本位の物の見方をしてしまい、都合よく解釈してしまいます。
「涙が出たけど、それは誰のための涙なのか」ということですね。
自分の心の傷に反応した場合は、話を聴いた後辛くなったり日常に影響したりするのです。
純粋に相手の鏡になっている時、話を聴いている最中は感情が揺れますが、その後しんどくなったりなど影響されることはないのです。
ですから自我、エゴから自由になることが相手の話をありのまま聴く上でとても大切なのですね。
話を聴こうとしても、なぜか心の状態が雑念まみれになってしまい、集中できないというのも相手の引き寄せが作用したと言えますね。
相手が「心の深いところまで行けない」「話をしたくない」ということの反映かもしれません。
あるいは「自分でも混乱していて心がざわつき、本質が見えない」状態かもしれませんね。
このような時、ケアをする側がより集中し、瞑想状態に近くなれるよう感性を研ぎ澄ますと、それもまた相手の心に反応し、ざわつきが収まってきて本質に近い話ができたりします。
今回は1対1の場合の話をしましたが、1対複数のグループセッションや分かち合いの話もまた書きます。
読んでくださりありがとうございました。