ドラマ「病室で念仏を唱えないでください」の主人公、松本照円(しょうえん)は僧侶でありながら救急の医師でもあります。
原作のコミック「病室で念仏を唱えないでください (3) (ビッグコミックス)」
病院で働く牧師や僧侶などの宗教者のことを「チャプレン」「病院付き牧師」「ビハーラ僧」「臨床宗教師」とも言います。これらの職業ですらまだまだ人数が少ないのが現状です。その上医師と僧侶という二つの資格を持っている方はめったにいらっしゃいません。
現代では医療と宗教は別物のように捉えられがちですが、日本のみならず世界中で昔は宗教者が医療も担っていることが当たり前だった時代もあります。
医療は「患者を生かすための治療」をするというのが大前提ですが、宗教はいかに生きるべきか、さらに死後の世界や来世も含めた幸せをも視野に入れ、寄り添ってくれるものです。
「病室で念仏を唱えないでください」の主人公も、医療と宗教のはざまで葛藤する場面がたくさんあります。
日本にいる数少ない僧医、牧師兼医師の方
テレビで拝見したことのある方もいれば、今回ネットで調べて初めて知った方もいます。
対本宗訓さん
禅僧から医師の道へ 身心一如(しんじんいちにょ)を体現する“僧医”
著書を紹介します。
『人生の最期に求めるものは―僧衣と白衣の狭間で見えてきたこと』
『いのち問答 ――最後の頼みは医療か、宗教か? (角川oneテーマ21)』
『禅僧が医師をめざす理由』
田中善紹さん(故人です)
田中雅博さん(故人です)
『進行がんになった医師で僧侶が語る「がんで死ぬのは怖くない」仏教と医療の再結合・スピリチュアルケア』
牧師であり医師の人も
小林良裕(よしひろ)さん
まだまだ情報が少ないですが、わかり次第記事に追加していきたいと思います。
医療と宗教、両方の専門家である「僧医」。医療が大事にしている価値観と宗教が大事にしている価値観の違いなど、どのように対処していくのか、またどんな状況で葛藤するのか。
僧医という立場だからこそ、抱く悩みや直面する問題。
僧医が向き合っているのは患者だったり、そのご家族。
患者や家族が抱く痛み、それは身体的な病気はもちろんのこと、どう生きるか、どう最期を迎えるか、大切な人が亡くなった後どうやって生きていくかなどといった心の痛み、スピリチュアルペインも抱えることとなります。
そういった「痛み」を抱える患者や家族側の立場としても考えさせられる部分があります。また私はスピリチュアルケアを実践する立場でもあるので、日々患者さんに接する僧医としての苦悩に共感する部分も多いです。
どちらの立場であっても、生きていくこと、死んでいくことは一大事です。
読んでくださりありがとうございました。