5月8日に放送されたNHKのハートネットTVが人工妊娠中絶について放送していました。
録画し、文字をおこしたものを載せておきます。※こういうのは載せたらダメなのかしら?と思うのですが、多くの人にこのような誰にも言えない苦しみを抱えている女性たちのことを知ってほしいのと、このような方たちがちゃんとケアされる社会にしていきたいという思いから、あえて載せることにしました。
まだ全部をおこしていないので、全文を載せるには数日かかる予定です。
中絶という、痛み 見過ごされてきた心と体のケア
日本で行われる人工妊娠中絶件の数 年間16万4621件
ー平成29年度 厚生労働省
身体的、経済的理由や性暴力を受け妊娠した場合における中絶
しかし、その選択をしたことで心に消せない傷を負う女性も少なくありません。
「妊娠のことについては誰にも相談できなくて 親にも。だって離婚したって言ってるのに妊娠してるっておかしいじゃないですか」
「自分の中で消化できることじゃないので 死ぬまで一生考えていくと思います。」
長い間中絶は命の選択を巡る問題として語られてきました。
(女性が泣く声)
一方で女性たちが負う体と心の痛みには社会の目は向けられてきませんでした。
(女性が泣く声)
(社会の)中絶に対する罪悪視が(女性に)一生苦しむものなんだと植え付けている。っ罪悪感をずっと持ち続けなければいけないものだと(産婦人科医)
これまで置き去りにされてきた女性たちの痛み
誰にも語ることのできなかった声に耳を傾けます。
「自分の中でこの子を殺してしまったという罪悪感が消えなくて
自分が人間なのか人間じゃないのかわからない」
中絶という、痛み 見過ごされてきた心と体のケア
大阪、心斎橋繁華街の路地裏にある婦人科の診療所です。
一般の婦人科診療のほかに中絶手術も行っています。その数は年間1000件以上にのぼります。
「お会計11万5000円です」
母体保護法に基づき中絶が認められるのは妊娠22週未満まで
ここでは妊娠12週未満の初期の手術を行っています。
院長の佐久間航さん さくま診療所 院長
10年以上予期せぬ妊娠に悩む女性たちを見てきました。
「今回継続が難しいとおっしゃっているようですので
早速ですがそういうお話に移らせていただくけどいいですか?」
中絶が可能な条件〔母体保護法〕
- 身体的・経済的理由で母体の健康を著しく害する恐れがある場合
- 性暴力を受けて妊娠した場合
「20代前半10代後半も多いし30代くらいの方がちょっと落ちて、また30代後半とか45歳くらいまでの方も多い
(産むかどうか)迷っているというてくれる方は10分の1くらいかな。どうしようもないから決めてきている方には、スピーディーに対応してあげるということ。あまり説教くさくなってもというところはあるので難しいなとは思う。」
日本では中絶のほとんどが「身体的・経済的理由」で行われる
しかし取材に応じてくれた女性たちにはそれぞれの事情があった。
佐野はるかさん(仮名・20代)
大学生の恋人との子供を妊娠しました。
はるかさんに中絶を決意させたのは恋人の言葉でした。
「(いつもの)会話の中で(子どもが)できたら絶対俺どこかいくわ」って話はしてたので(彼に)言わずに中絶しようって決めました。」
中絶は自費診療のため十数万円のお金がかかります。社会人1年目のはるかさんはわずかな貯金から工面しました。
「自分が奨学金の返済用に貯めていたのと それで間に合わない部分は友人に借りました。友達に言うと「相手も悪い」と言われるけど でも私の中では私が一番悪いかなと思う。自分の体を守れるのは自分しかいないから。それをおろそかにしたから」
望まない妊娠で中絶を選んだ女性もいます。
星野香織さん(仮名・30代)は元夫と離婚した直後に妊娠が判明しました。
「(離婚の理由は)DVですね。顔をグーで普通に殴ってくる。」
離婚を求めた香織さんに元夫は性的な行為を強要しました。
「私的にはそういう行為はしたくないとは言ったんですけど、
むこうは「そういうのちゃんとしてくれないと離婚には応じない」みたいな言い方で。避妊もちゃんとしてほしいって言ったんですけど、してくれなかったので。
妊娠のことについては誰にも相談できなくて 親にも。だって離婚したって言ってるのに妊娠してるっておかしいじゃないですか。だから誰にも相談できなくて」
一方で出産を希望しながら諦めざるを得な買った女性もいます。
結婚を約束した男性の子どもを妊娠した遠藤千夏さん(仮名・20代)
「相手のご両親に反対されて認めてもらえないっていうのが大きい。私に子どもがひとりいてるんですけど、その子を「孫として受け入れられるかわからへん」と言われました。
シングルマザーの千夏さんはスナックで働きながら一人で娘を育ててきました。
相手の両親は結婚と出産に反対しました。
「「ほんまにこの子の子?」みたいな言い方もされましたし、結局周りの目っていうのはホステスやねんからみたいなのが大きいんですよね。なんで産んであげられへんのやろうって」
さまざまな事情で中絶を選ばざるをえない女性たち。院長の佐久間さんは葛藤を抱えながら10年以上手術を行ってきました。
「絶対中絶なんかしたらあかん」っていう方方もいらっしゃるけれども、それはよう言いませんわね。そんならその責任誰が持つねん?慣れているって言い方になっちゃうのかな。なっちゃうけど、なっちゃうけど・・・
どうなんやろうな。どうしようもないですから 正直ね」
次に続きます。