タイトルの言葉は
という渡辺和子さんの本から。
生きていると突然予期せぬ出来事が身に降りかかり、
どうすることもできない悲しみ、苦しみに襲われることがあります。
その渦中真っただ中の時には
周りの人の声かけも耳に入らないことが珍しくありません。
死別や離別、災害、自身の病気など大きな出来事を体験すると、精神は一時的にパニック陥ります。
泣いてばかりという人もいれば、涙も出ないという人もいます。
生きていても意味がない、死んでしまいたいと思うこともあるでしょう。
日常生活がめちゃくちゃになり、その時の記憶がなくなることもあります。
気がくるってしまった方がらくなのではと思うこともあるでしょう。
急性的な混乱の時期を過ぎると、少し落ち着きを取り戻しますが、痛みを感じなくなったわけではありません。
自分の身に起こったことが現実なんだと実感されてきます。
そのような状態をどうにか生き抜き、
少し時間が経って冷静さを取り戻した時
渡辺さんのこの言葉からどのような感覚を受け取るでしょうか。
「あなたの大きさは、
あなたの心をかき乱すものの大きさなのですよ」
正確にはお母様がおっしゃった言葉だそうです。
渡辺和子さんは8歳の時に目の前でお父様を殺されたという壮絶な体験をお持ちです。
あの悲しみにどんな意味があったのだろう
あの苦悩からどんなことが学べるのだろう
この苦しい気持ちはどうすればいいの
いつになったららくになるのか
など新たな問いが生まれます。
長い期間自問自答する日々が続くでしょう。
渡辺和子さんのこの言葉は
嵐のような感情から少し距離を置ける、
冷静になり、自分を見つめ、たましいの力を取り戻す言葉のように私は感じます。
尋常ではない悲しみ、苦しみ。
その大きさ深さは
あなたの心の大きさ。
あなたが人に与えることのできる優しさと慈しみ。
言葉では表現できないほどの日常を送ってきたあなただからこそ
長い時間がかかるかもしれないけれど
今度は同じように苦しんでいる誰かに生きる力を与える
希望を与えることができる。
失ったもの、傷ついた心はそのまま抱えたままかもしれないけれど
だからこそ、深い深い幸せを感じることがきっとできる。
そう言われているように私は感じます。