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伝えたい相手がその場にいなくてもできる。ゲシュタルト療法の「エンプティチェア」 

エンプティチェアとは

ゲシュタルト療法で使われる技法の一つで、エンプティチェアとは「空の椅子」という意味です。

対話したい相手を空の椅子に座らせて、言いたいことを言い合うワークです。

子どもだましみたいに思えるかもしれません。

私はこれを上智大学グリーフケア研究所の授業で初めて体験しました。

没頭できる人にとって結構パワフルなワークだと思いました。

え?こんなことして何になるの?という思いがぬぐえない場合はあまり効果が無いと思います。

しらけている状態だと、言葉を話すにも実感がこもらないですからね。

エンプティチェアのやり方

椅子を2脚用意し、一つには自分が座り、もう一方に対話したい相手を座らせます。

実際に存在している人でも、故人でもいいです。過去の自分や未来の自分も可能です。

あるいは病気やケガをした身体の一部でも構いません。手や足と対話することも可能です。

未完結のモヤモヤしていることを、エンプティチェアの技法を使って、明確にしていくのですね。

「ありがとうと伝えたいのに伝えられなかった」

「わかってほしい気持ちを伝えたい」

「怒りをぶちまけたい」

「どうすればいいかヒントが欲しい」

など。

「空の椅子」なので実際の相手を座らせるのではなく、座っているというイメージして、ワークを進めていきます。

目の前に相手が座っていると仮定し、伝えたいことを話します。

次に相手の椅子に座ります。

自分の椅子には誰も座っていない状態です。

今度は相手の立場になって、自分に向かって言いたいことを話します。

視点を「自分」から「相手」に持っていくことで、相手の立場になり、客観的に状況を把握することができます。

そして、ワークをする前には気が付かなかったことが表出したりと、自分でも驚きの結果になることがあります。

相手の立場になって出た言葉は、もちろん自分の中から出たものですが、それでも物の見方が変わったり、気づきが促されたり、癒されたり・・・。

エンプティ・チェアの例

例として「私」と「その場にいない相手」を設定します。

今回は「ずっと会っていない友人」をエンプティチェアに座らせます。そして一人二役。

私:〇〇ちゃん、久しぶりやね。コロナやから直接会えんのがもどかしい。早く会いたい。

友人:××ちゃん!うん、直接会いたいよね。

私:ホントに。あのね、今日こうやって会いたかったのは・・・お礼を伝えたかったからなんよ。

友人:え?なんのお礼かな?

私:えっとね・・・〇〇年前のあの出来事。ほんとにありがとね。

友人:ああ、あの時ね。私もびっくりしたけど勇気ある××ちゃんの行動に感激したから、つい応援したくなったのよ。

とこんな感じで、会話を展開していきます。

実際の友人ではなく、私のイメージの中の友人が話すのですが、相手の立場になって話します。

友人が話す番には必ず椅子を座り替えます。

自分でも今まで意識に上らなかったけど「勇気ある行動」を取ったのね、私、という気づきが出るのですね。

エンプティチェアの効果

以下は実際に指導していただいた倉戸ヨシヤ先生の著書「ゲシュタルト療法―その理論と心理臨床例」です。

p.94

ところで、筆者のエンプティ・チェア技法の経験は、「はじめに」において紹介した「テニスのラケット」になってみた経験にはじまり、数多くあるが、はじめは演技っぽく、ぎこちなく感じられたものである。

しかし、それはセラピストを意識したり、語学力のぎこちなさであり、ときには他のメンバーを気にしてのものであった。

しかし経験してみると、その劇的なまでに明確なメッセージ性に驚かされる。

何に戸惑っていたのか、何ゆえに混乱していて選択ができなかったのか、などが立ち込めていた霧が突然晴れるように、鮮やかに、かつ快をともなって、明らかにされる。

そのような経験をした筆者は、ひとたまりもなく、この技法の虜になってしまっている。

エンプティチェアは単純でありながら、結構「効く」のですね。

技法を知らなくても、私たちも普段から無意識にやっていることが多いと思いませんか?

大切な人が亡くなって、仏壇に話しかけたり、お墓に話しかけたり。

椅子を使わずとも、これらはエンプティチェアの一種と言えます。

やりとり自体は自分の中で完結しているわけですが、それでも心が変容すると外の世界も変わるという不思議なことが起こります。

このようなことは心理療法、カウンセリング、スピリチュアルケアなどではよくある現象ですね。

外の世界は自分の心の反映、ということがますます実感されるでしょう。

 

この本の中に緑内障を患った人の例が挙げられています。

グループ・セッションの中で緑内障と対話する様子が書かれていて、症状がどんどん悪くなっていく様子から、それが止まるまでのやりとりがされていました。

グループ・セッションなので、メンバーがどう反応するかは本当にやってみないとわからないような状況。

結果的に緑内障の悪化をメンバーたちの力で止めるということがセラピー中に起こりました。

当の本人も号泣。

しかしこれはイメージの中の出来事ですよね。セッションの中の「イメージの緑内障」。

ところが、何回かのセラピーを経た後、現実に緑内障の進行が止まったとのこと。

外の世界、他人も自分の病気も、実は自分自身の中にあるということなのでしょう。

自分の内面が変われば、外の状況は変わる。

引き寄せの法則も同じことを言っています。

エンプティチェアが向かない人

自我の弱い人、統合失調症、境界例

これらの人には向かないとのことです。

 

エンプティチェアの変化形

先日この記事「引き寄せ・創造の法則。問題が起きた時のセルフケア。ハイヤーセルフ(守護霊)に問うてみた。」で、

ハイヤーセルフと対話を書きました。

一人二役で、PCに対話を打っていくやり方ですが、これもまたエンプティチェアの一種と言えますね。

この方法がエンプティチェアとは全く思わずにやっていましたが、視点を自分よりも高く、広く持っていくことで、客観視できたりして、意外に効果ありますね。

 

今日もお読みくださりありがとうございました。

 

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