カウンセリングを受けたことのない人がカウンセリングに抱くイメージ
カウンセリング未経験の人が、カウンセリングに対して抱いているイメージの一つに
「人を正す」「教育する」というものがあります。
カウンセラーに相談するのは、何らかの悩みを抱えていて行きますよね。
その悩みに対して、
「あなたの考え方や行動が間違っているから苦しいんだ。だからその考え方をやめて、もっと〇〇という風に考えないといけない。」
とアドバイスするのがカウンセラーのやることではないかと。
例えば対人関係の悩みの場合
■あなたの気の持ちようではないか
■もっと強くならないといけないよ ■次に同じことを言われたら、言い返すセリフを考えておきなさい |
などと言われるのではないかと。
意外と多くの人がそのようなイメージを抱いているかもしれません。
相談者の気づきが促され、癒しが進んだ結果、社会的に見て正しい行動につながることはあります。
あくまで結果です。
人によって異なります。
また、相談者の中に前向きに行動したいという気持ちが芽生えた場合、背中を押したり、応援することはあります。
カウンセリングは普段人には言えないような気持ちを受け止める場です。
ですからタブーとされるような気持ちを話していただいて結構なのですね。
例えば
「親の介護がしんどい。早く死んでくれたらいいのにと思う」と話した場合。
日常では「そんなこと思うなんてひどい」などと言われるかもしれませんが、カウンセリングの場では気持ちを否定することはしません。
「早く死んでくれたらいいのに」という気持ちの奥にどんな本音があるのか・・・。
以下に挙げたのは「怒り」など表層的に感じている感情です。
これらは「一次感情」であり、その奥に元となる「二次感情」があります。
■私の生活を犠牲にしてまで面倒をみたくない
■きょうだいの中で私ばかりが苦労するのは納得がいかない ■子ども時代に虐待された心の傷があり、親のことで許せない気持ちを抱えている ■親にしてもらったこともあるし、世話になったという気持ちもある |
など。一次感情は自分でも自覚できている表層的なものです。
丁寧に見ていくことで根本となっている「二次感情」を感じていきます。
■イヤな思い出も多いが、嬉しかった思い出もある
■親は何もしてくれないと思っていたけど、愛されていたことがわかった ■怒りの感情に支配されるばかりだったけど、自分の中の寂しい気持ちに気づいた ■他のきょうだいと同じように私も甘えさせてほしかった |
など。
二次感情は本人も見ないように抵抗が働いていたり、抑圧しているため普段は感じないことがほとんどです。
カウンセラーが導くのではなく、相談者の中に元々あった感情を拾いあげるのです。
心の奥に元々あるにも関わらず、抑圧していて自覚できないでいた部分に光を当てるということ。
もし、カウンセラーに「その考え方はおかしいですよ」などと言われたら、カウンセリングになりません。
悩み解決には何か行動を起こすこと、自分の考え方を無理に変えることなど、コントロールすることが必要だと思っている人が、カウンセリングは教育をするところというイメージを持っていることがあります。
そのように外の状況をコントロールして対処した場合、一見変わったように見えるかもしれませんが、内面が変わっていないと苦しみは保持されたままです。
カウンセリングでは、内面を見つめ、自分を縛っている思い込みにアプローチすることで、気づきや癒しを促します。
また、カウンセラーは相談者が幸せになっていくことを応援しています。
良くなっていくプロセスで、カウンセラーにありのままの気持ちを受け止めてもらえた、ということで、言いにくいことを言える場としても機能します。
日常では誰にも言えないようなことだからこそ、一人で抱えて苦しくなるのですが、誰か一人でも理解しようとしてくれたら、心は軽くなるものです。
その営みが「カウンセリング」です。
今日もお読みくださりありがとうございました。
カウンセリングでは悩みの奥にある本当の気持ちを受け止め、相談者自ら、答えや気づきを見つけるサポートをします。