「もう死んでしまいたい」「生きる意味がない」という自己存在の否定。
あなたはあなた自身のことをどんな風に思っているでしょうか?
人から愛されるに値する、大切な存在だと思っているでしょうか?
それとも生きる価値もない、死んだほうがいい存在だと思っているでしょうか?
そんな深刻なこと考えたことないという人もいるでしょう。
おそらく「死んでしまいたい」とか「自己否定」というキーワードでこのページにたどり着いたのかもしれませんね。
どうして自分の身に不幸な出来事が起こったのだろうか?
自分にとってとても辛く、過酷で耐え難い出来事が起こったことで、自身の内面を深く見つめざるをえなくなることがあります。
「心の奥底で自分の存在を否定していたから、それを証明するような傷つく出来事が起こったのだろうか。」
「それとも傷つくような出来事が起こったから、自己否定の念にがんじがらめになったのだろうか。」
「私はなにか悪いことをしたのだろうか。」
「あの時のあの行動がいけなかったのでは。」
後悔、自己否定、罪悪感、自責の念。
表面上の意識では、傷つくことを望んでいる人なんていないでしょう。
「そんなことは絶対に起ってほしくない、いやだ、避けたい、耐えられない」と。
しかし自分でもわからない、たましいの奥底では、傷つくことを許しているのかもしれない。
いやむしろ傷つくことを望んでいるのだとしたら・・・。
死と匹敵するような過酷な出来事かもしれないし、実際に大切な人の死がそれかもしれない。
自分がどうなるかわからないような、背負いきれない、人生を左右するような、生きていく希望をも失うような出来事かもしれない、絶望。
なぜそんなことが起こったのかと問うても、普段私たちが感じている「人間の意識」では答えなど見つからない。
闇のようにしか思えない。
傷つくことを許している「たましいの次元」という視点
しかし、心の奥深く、たましいの次元では、そのことを自分が体験することを許している。
あなた自身の生き抜く力だったり、助けてくれる人だったり、信仰の篤さだったり、死と匹敵するほどの困難に耐えられるほどの「資源」があるということをどこかでわかっている。
七転八倒しながら、弱音を吐きながらでも、どうにかそれを乗り切りるだけの支えとなるものは必ず用意されている。試練と思える時間は長く続くかもしれないけど、その先にちゃんと光があるということを知っている。
人によっては、絶望のさなかにふと、そういった「たましいの次元」に触れて、癒されるということが起こるかもしれません。
しかし、大半の人にとって絶望を感じているときに、「たましいの次元」などと考えられるような余裕はないでしょう。
たとえ「たましいの次元」という視点を持っていたとしても、肉体を持った人間として生きている限り、「人間の意識」が心の大部分を占めている状態であり、大変な苦しみを抱えていることは事実です。
辛い。苦しい。
出口のないトンネル。
死んだほうがらくになる。
自分なんて存在しない方が社会のため。
あんなことが起こって、生きる意味がもう見いだせない。
何のために生きているかわからない。
人生や自分に対する認識が一瞬で変わってしまった。
考えようとしなくても、考えてしまう。
こんな苦しい思いを抱きたくないのに、感情が勝手にわいてきて、がんじがらめになり、人格全体がコントロールされてしまう。
本当にしんどいです。
そのしんどい感情とちょっとでも、距離が置けたら、ちょっとだけらくになるかもしれません。
そのために、
助けを求めることを許していい。
人を頼っていい。
迷惑をかけていい。
でも一人でいたかったらそうしてもいい。
絶望のように今は感じているかもしれませんが、必ず支えになってくれる人はいます。
何人かに声をかけたら、そのうちの一人かもしれませんが、寄り添ってくれる人はいます。
抱えている状況は変わらないかもしれない、問題解決はできないかもしれない。それでも、誰かにそばにいてもらうことで、ほんの少しの間でも重荷を下ろすことができるでしょう。
あなたに向き合ってくれる人がいると知る。
辛い、苦しいと言っているそのままのあなたを、そうなんだねと受け止めてくれる。
生きていてほしいとほしいと言ってくれる人がいる。
人に頼る気になれないという場合は、心に寄り添ってくれるような本を読むことで、自身の心と向き合うことが促されるということもあるでしょう。
以下、グリーフケア研究所で大変お世話になっている、高木慶子先生の本です。
実際遺族会の現場でお会いした方の中には、高木先生の本を何度も読んでいるという方も複数いらっしゃいました。
高木先生をはじめとする宗教家の方の書かれた本は不思議と癒されますし、慈愛を感じます。
他、SNSや電話相談といった方法もあります。
上記の厚生労働省のHPには信頼できる機関のアドレスが掲載されています。
電話相談やメール、LINEでの相談ができるところもあります。
生きていると色々なことが起こります。しかし大丈夫、「それでも誰かが支えてくれる」んです。