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相手の自己受容の度合いが伝わってくる

2012年からグリーフケア・スピリチュアルケアの活動に携わるようになり、遺族会やNPO他さまざまな現場でお話を聴かせていだだいてきました。

ほとんどのケースが、面談なり分かち合いなりに自ら希望して参加したというケースです。このように、話を聴く仕事をしていると話を聴いてもらいたい人がいるから、その活動が成り立っているということが言えますね。

そもそも今現在、生き生きと生きていて、自分の人生に充実感を持っている人は相談には来ないのですが、そういう人はきっと稀なのでしょうね。

何かしら人生に対して不満や不安を抱えていて、どん底とまではいかないけれど、それほど生きがいを感じるわけでもなく、無難な人生を送っているという人が多いように思えます。

 

面談を自ら希望する人・提案されて希望する人・その発想が無い人

面談を自ら希望する人

通常、真剣に自分の人生を考えている方が相談に見られます。

個人面談もそうですし、今まで関わってきたボランティアの分かち合いや、各種講座などもそうです。

みんな何かしら抱えていらっしゃいますが、心のことだったり生き方のことだったり、セッションを受ける、分かち合いに参加する、そのような本を読む、講演を聴きに行く、など行動を起こすという時点で、自己受容が始まっているということは言えるかと。

まあ本当は生きていたら、表層ではなく、自覚できないもっと深いたましいレベルでそれが常に起こっているのでしょうが、行動を起こすというのは、それが目に見える、自覚できるレベルまで現れているということになります。

全員が全員100パーセントそうなのかというと、そうとも言い切れませんが、高い割合で自己受容が深まっていくプロセスにある人でしょう。

※カウンセラーに恋愛感情を抱き、会いたいがゆえに相談を希望というか「利用」する場合は除外です。

提案されて希望する人

そもそも欧米とは異なり、カウンセリングという文化が日本にはありませんでした。

近年は広まってきたようにも思えますが、それでもまだまだです。

誰か専門家に自分の内面を打ち明けるということ自体、思い浮かばない方が多いのが現状です。

病院で、入院患者さんやご家族にスピリチュアルケアを提供するという場合、「お話を聴く専門のボランティアの方がいますが、どうですか?」などと提案し、希望があった場合に面談という流れになります。

「本当にしんどいから話を聴いてもらいたい。」と思う方と、「特に話すことはないけどまあどんなものか興味があるし、まあ一度話してみようか。」という方がいるように思います。

また、カウンセリングや分かち合いなども、チラシやパンフレット、あるいは誰かに「こんなのがあるよ」と勧められてその存在を知り、興味を持ったことがきっかけという場合も多いです。

自らケアを受けるという発想は無かったものの、その存在を知り、活用するようになるというパターンです。

 

その発想がない人

誰かに心の内を話すという発想がないのは

・特別しんどいことや悩みがない

・心の奥底にしんどいものを抱えていても自覚していない

・しんどいし悩んでいるけど人に話したくない

・しんどいし悩んでいる、人に話したい思いがあるけど自覚していない・聴いてもらえるという発想がない

 

などに分類されるかと思います。

相手の自己受容の度合いは、上記の3つの中でどれが一番深いのかは比べることができず、人によるということですね。自己受容の深さは3つを比べることはできず、個人によって異なるということ。

ただ、その態度には違いがあり、「自ら面談を希望する人」だけが、自己受容のプロセスが進んでいると第三者からみてわかるということです。

「誰かに相談したい・話を聴いてもらいたい・自分と向き合いたい」と思っていること自体が自分の人生を良くしたいという意欲であり、態度だからです。

しかし実際の自己受容の度合いや深さは、「その発想の無い人」の方が深いこともあったりします。

例えば、生き生きと生きているから、悩むことがないという場合、相談の必要がないわけです。

逆に「その発想の無い人」であっても、苦悩を抱えているにも関わらず、自分の心のうちを言葉にできないという場合もあります。

面談を自ら希望する人・提案されて希望する人・その発想が無い人というのは、第三者が見てわかる、「態度」ということ。

そしてその「態度」の元となる深い心の部分は人それぞれであってわからないということ。

自己受容の度合いも「態度」だけを見ていても判断できないということになります。

「態度」で分類しても自己受容の度合いはわからない。しかし実際に向き合うことで伝わってくるものはある。

「分類」という表現を使いましたが、これは知的作業にって「あの人は相談に行くから自己受容が進んでいる」「あの人は相談に行かないから自分のことがまだ受け入れられていない」

などとその人の本当の内面を知らずに憶測で、自分の思い込みで分類するという意味です。

相談に行く行かないという表面上の態度のみでは、その人がどれだけ自分を受け入れ、人生に満足しているかということまではわかりません。

それでも、実際に話をしてみると、その人がどれくらい自己受容が深まっているのかということは伝わってきます。

今回この内容を書こうと思ったのは、認知症の人たちの介護をしていて、人によって私がキャッチする感覚が異なることに気が付いたからです。

グリーフケア・スピリチュアルケアの活動では、相手の方は自己受容のプロセスの中にいるからなのか、私も全力で応援したいという気持ちを感じます。

これはなぜかというと、寄り添いというのは相手の価値観の中に自分が入るということであり、私というケア提供者は、相手の一部分、特に大事な部分を映し出す鏡となるのですね。

私の中に芽生える「感情反応」というのは、実は相手の中にあるものでもあるのです。

相手の中にあって、自覚ができそうなもの、もうすぐ表出しそうというもの、盲点だったけどその通りだというものを映し出します。

ケア提供者自身、自分のビリーフから自由になればなるほど、相手の心内が自分の中に「感情」として現れてきます。

自分のビリーフ・思い込みに縛られている時も色々な感情が現れますが、それは自分の思い込みの反映したもの、相手の気持ちとはずれていることが多いのです。

 

一方で、今パートで認知症の方の介護に行っています。

そこで複数の方と接する機会があるのですが、人によってポジティブな感情が私の中に生まれたり、ネガティブな感情が生まれたりします。

この人とは気分よく話せるけど、この人には関心がわかない、など自分の内面でも色々な感情が生まれます。

ケア提供者は目の前の人に関心を持って関わらないといけない、とされるので、私自身ももちろん「関わり」として「仕事」としてはその人に関心を持つ、そのような態度を心がけて接しています。

しかし、私の心の中に生まれる感情は、その人自身の心の映し出しでもあるので、いくら私が表面上の態度で「関心を持っている」

「この人のことが大切だ」という態度で介護の仕事を行っても、本心の部分では「そんな風には思えない」ことは多々あるのですね。

「そんな風には思えない」というのもまた、相手の心の中の本心を映し出しているからということなのでしょう。

認知症の人に限らず、自分のことを否定していたり、自分のことが嫌いという人の話を聴くと、同じような感情が伝わってきます。

「生きるのがいやになった」という気持ちも伝わってきたりします。

私の場合は訓練を通して自分のビリーフからある程度自由になっているので、このようなことが書けるのですが、感情というのは実はどの感情も自分のものではないし、その人のものでもないし、誰のものでもありません。

同じ感情を何度も体験すうるちに、その感情との回路が強く太くなり、より一層その感情との結びつきができるので、まるでそれが自分のものであるかのように感じるだけです。

そしてそれが自分だと思い込んでいるのです。

目の前にいるひとりの「個人」としてその人が抱えているであろう感情を感じ取ることができています。

そして「個人」の奥にあるもっと深いところでは、みなが「本来の自分」に向かっている、宇宙や神といった存在に愛し抜かれている存在なのですね。

介護の例でいうと、その人自身の深いところでは、自己否定が強く、それが今の私にも伝わってくるのですが、それよりももっと深い次元では、その人も宇宙・神といった存在に愛し抜かれているのです。

だから、実際にお風呂や食事、排泄の世話をする人が目の前に現れ、必要なケアを受けられるという現象が起きているとも言えます。

その人自身を取り巻くさまざまな現象から、宇宙の愛を感じる・・・・。

このように、個人の心で感じるよりももっと深くを感じられるような人が、介護を通して「神を感じる」と表現したりするのだと思います。

介護が天職という方はきっと知らず知らずのうちに、そういったことを感じているのでしょう。

マザー・テレサもきっとそのような心境だったのではないかと思います。

私は介護ではそのような心境にはなれませんが・・・・。

やはり深い話ができる「対話」が合っています。

 

 

今回は以上です。

今日も読んでくださりありがとうございました。

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