天国に行った赤ちゃんのことを忘れたくない 本の紹介

SIDS家族の会 田上克男先生の本「忘れないで ~キーンちゃんのこと~」

グリーフケアの活動で度々ご一緒させていただいております田上克男先生の本の紹介です。

田上先生はNPO法人SIDS家族の会の設立(平成5年)に参加、副理事長(平成27年)をされています。お仕事は鍼灸院を経営していらっしゃいます。

※HPからの情報です。→田上鍼灸院

「忘れないで ~キーンちゃんのこと~」クリックするとアマゾン購入ページに飛びます。

紙の本ではなくKindle版のみになります。生まれた直後にお子さんを亡くされた田上先生の実体験を元に書かれた本です。以下Amazonの内容紹介になります。

内容紹介
大事なことでも、ずっと覚えていることは難しい。
「だからほらっ、思い出してごらん!あのころのこと」

概要
『ぼくは4才になったばかりの保育園児だった。そのころぼくには、仲のいいひとりの友 達がいた。名前をキーンちゃんという。』
「読売新聞」にて、2005年5月17日~6月1日連載された作品を、電子書籍用に補作・再編した作品です。

大切な人を亡くした遺族の悲嘆に寄り添い、その立ち直りをサポートするグリーフケア。
その大切さを訴えながら様々な活動をしている著者にとって、活動の原点ともいえる自らの体験を基にした作品です。

著者コメント

あるところで、ひとりの赤ちゃんが産まれ、亡くなりました。

赤ちゃんのお兄ちゃん・お母さん・お父さんは、いきなり投げ込まれた悲しみの海を漂い、そこからなんとか這い上がろうともがきました。これはその赤ちゃんの家族が歩んだ道のりの記録です。

普段は大して信心深くないお父さんは、このときばかりは神様に祈りました。「生きているだけでいい・・・」他には何も望みませんでした。望みはかなえられませんでしたが、お父さんは大事なことを知りました。

「生きていられることは、あたりまえなことではなく、有り難いことだ」と思うようになりました。でもいつかそのことを、忘れてしまいそうで・・・。

どんな人でも、生まれたときは赤ちゃんでした。

親のこどもでした。でもいつの間にかそのことを忘れてしまいます。自分が親になったとき、そのことを一瞬思い出す人は多いで
しょう。でもまた忘れてしまうのです。

また、今は社会的に問題のある人でも、かつてはただただかわいい赤ちゃんだった時代があったはずです。

そんなことを「そうか!そうだった」と思い出したら、目の前の現実が少し違った景色に

えてくるかもしれません。

 読後の気持ち「忘れたくない。憶えていたい。」

子どもの語り口調で書かれていることもあり、す~っと心に入ってきました。

読んでいて何度も泣いてしまいましたが、優しさのあふれた本です。

大人だけでなく、小学生くらいのお子さんも読める本です。

表現は平易なのですが、だからこそなのか、心に響きます。

私も、赤ちゃんを亡くして13年。田上先生の場合とは異なりもっと小さい週数で亡くなったので姿は見ておりません。

年月が経つと、妊娠していた当時のことなど、細かい部分の記憶が薄れていってしまいます。

赤ちゃんを亡くして数か月、最初の数年は毎年同じ季節が来たら当時を思い出し、どこに行った、何を買った、誰と過ごした、何をした、など心の中で回想をしていました。

そして時には思い出の場所に一人足を運んだこともありますし、行きたいけど行けていない場所もあります。

時が経つにつれ、思い出さなくても心の状態を保ってやっていける日が増えてきます。

亡くなった子のいない日常に適応できてくるのですね。

10年以上が経った今、この本を読んで思いました。

「記憶が薄れていくのは寂しい。忘れたくない。」

あの出来事の前と後では別の人ではないかというくらい、人生観も変わり、生き方も変わりました。

自分が変わっていく、という現象もまた、亡くなった人がもたらしたものでもあり、その現象そのものに死者のはたらきを感じるというか・・・。

「忘れたくない」と思って泣くこと自体、あの子がいたからであり、やっぱり今もいるのだと。

読んでくださりありがとうございました。

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