昨年からグループホームで認知症の方々の介護のパートをしています。
ターミナル期や難病の方、大切な人との死別を体験した方、過去の心の傷が理由で生きづらさを抱えている方の他にも、認知症の方のスピリチュアルケアも度々耳にすることがありました。
どのような方に対しても、その人がその人らしくあること、あなたは大切な存在なんですよ、ということをケアを通して感じていただくことが大切です。
認知症の方のケアの一つに「ユマニチュード」があります。
詳しくは本を読んでいただきたいのですが、ユマニチュードの本を読んでいて、はっとした部分があります。
それは、相手の視界に入って、目で見て存在を認識してもらうことの大切さです。
介護者の姿が相手の視界に入っていたとしても、認識していないことがあるとのこと。それは「存在しない」のと同じなのですね。
存在しない人がいきなり身体を触ったりすると混乱されたり、嫌がられるのは当たり前です。
そのため、私たちは相手の視界に入っていき、目線をとらえること。存在を認識してもらうこと。
それからコミュニケーションを取ったり、ケアをすることが大切ということです。
このことを知ってから、介助をする際にはアイコンタクトを取ることを心がけております。
グループホームでは介護の他にもごはんの用意や掃除、コロナ予防の消毒などの作業もあり、忙しいとつい介護が「作業」のようになってしまいがちになります。
車いすの人をトイレに連れて行ったり、歯磨きに連れていく際にも、毎日のルーティンだからと言葉もかけずにいきなり車いすを押して連れていくのは、なんだか相手を物のように扱っているように感じます。
自分その立場だったら、いきなり動かされて混乱や恐怖を感じるでしょうし、動けない自分の存在がなんだか申し訳ないような気になると思うのです。
実際に「ごめんね」という言葉を発する方も多いですし。
流れ作業のように扱われるのは辛いです。これから何をするのかということを理解しておきたいと私だったら思います。
介助を始める前に必ず声かけはして、相手が納得したらトイレなり歯磨きなり誘導しますが、その際のアイコンタクト、大事ですね。
そして短い時間でもなるべくその人との会話を楽しむようにしています。認知症を患っていても、自分が大切にされ、関心を持ってもらうことは、嬉しいと思うのです。実際に昔話などはとても嬉しそうに話してくれる方がほとんどです。
認知症当事者の本音というのはなかなかわかりづらく、その場での感情や情動は伝わってくるのですが、心の深いところでは「スピリチュアルペイン」をきっと感じているのだろうと思うのです。
認知症を患っているご本人が書いた本がいくつかあるようなので、買って読んでみようと思います。
今回は短いですが以上です。
今日も読んでくださりありがとうございました。