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新元号「令和」。万葉集に詠まれた”恋のカタチ” 4月3日放送「とくダネ!」より

万葉集。令和。恋愛。とくダネ!

4月3日放送のとくダネ!からです。

新元号の出典元が万葉集とのことで、今万葉集が注目を集めています。

万葉集からは当時生きた人々のリアルな心の声が聞こえてきますね。

中でも「恋愛」を詠った歌はまるで自分のことのように心に響くものがあり、昔の人も同じ思いを抱いていたのか~と感慨深い気持ちになります。

スピリチュアルケアやグリーフケアにおいて、「恋愛」は一見軽く扱われてしまいそうな考えをお持ちの方もおられるかもしれません。しかし恋愛は成就しなかった場合は「失恋」となり、死別などの喪失と同様、当人にとっては生きていく力が奪われたり、アイデンティティの喪失を引き起こしたりと、相当な「スピリチュアルペイン」「深いグリーフ」を抱くきっかけの一つになります。

誰かを好きになるということも人間のスピリチュアリティのあらわれの一つですね。

恋愛は今でも人間の最も大きな関心ごとの一つであるといえましょう。

ではとくダネで放送された内容です。今回の記事は番組からの引用になります。

解説は慶応大学の藤原茂樹教授です。

藤原茂樹氏:慶応大学 名誉教授 専門は古代国文学

著書に「藤原流 万葉集の歩き方」など

万葉集

魅力 禁断の恋も…万葉集に詠まれた”恋のカタチ”

新元号「令和」で注目

どんな恋の歌があるのか?

特徴1 恋の歌が多い

大伴家持は”プレイボーイ”

家持に恋した女性たちの歌も多数収録

藤原茂樹氏:奈良時代から平安時代にかけて貴族を中心に徐々に広まったという可能性がある

ピュアな恋の歌

恋ひ恋ひて 逢える時だに うるはしき 言尽くしてよ 長くと思はば

大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)

意味:恋しくて恋しくて、やっと会えた時くらいは優しい言葉をたくさんかけてください

二人の付き合いを長く続けようと思うなら

※番組内BGM:西野カナ「会いたくて会いたくて」

>>>>youtubeへのリンク「会いたくて会いたくて」

 

 

演歌風失恋の歌

失恋

伊勢の海の磯もとどろに寄する波 畏き(かしこき)人に恋ひわたるかも

笠女郎(かさのいらつめ)

意味:伊勢の海に打ち寄せる怒涛のように諦めようとしては再び思いを寄せ続けています

※番組内のBGM:森昌子「越冬つばめ」

>>>>youtubeへのリンク「越冬つばめ」

「この歌は家持と離れてしまって会いたくても会えないのであまりみなさんに聴かせるというよりか、家持に自分の状況はこうだよと贈って、振り向いてもらいたい。」

昼ドラ風不倫の歌

人妻とあぜかそを言はむしからばか となりの衣(きぬ)を借りて着なはも

作者未詳

意味:人妻に恋をするのをなぜいけないと騒ぐのか ならば隣人の着物を借りて着たりしないだろうか

 

※番組内BGM:一青窈「他人の関係」

>>>>youtubeへのリンク「他人の関係」

藤原教授:「いなおりの歌。男性から女性に向かって、アプローチしたら、私は人妻だからダメです、いやです。っていわれたのにそれに対してなぜそんなことを言うのか。そんなことを言ったら近隣の人の家から着物を借りて着るなんてことはないだろう、しているじゃないか。

昔の方はあの~、特に女性は味噌とか野菜とか、器を借りたり着物を借りたりする、人の生活習慣が現れているのと人妻への恋をくっつけて歌っている不思議な歌です。」

小倉アナ:「いい言い訳ですね!」

下平アナ:「奈良時代、今の時代の恋と何の変わりもない時代を経てもみなさんおなじような ことで苦しんだり、悩んだり。」

藤原教授:「ここには表れていませんけども万葉集のうたは女性のところに、子どもが育ったりしますから、男性が通っていく。っていう歌が結構多いんです。

もちろん道端で出会って一目ぼれして、それから少しずつこう、アプローチが始まってやがて女性のところへ男性が通って恋が成就していくっていう形が、恋の基本形です。

『入り乱れている。』その通りです。お互いに歌を交わし会ってそれが他の人の手本になっていく。」

 

万葉集の特徴2

全国各地(宮城~鹿児島)色々な階層の人の歌を集める

天皇・貴族・防人・農民・大道芸人など。

半数(約2000首)は作者未詳

まとめたのは家持。

 

万葉集とは

成立 奈良時代後期 7世紀後半から8世紀後半

巻・歌数 全20巻約4500首

主な編纂者 貴族・歌人 大伴の家持ら

作りてと言われる 父 大伴旅人

 

「令和」の出典である万葉集の梅花の歌32首の序文

初春の令月にして、氣淑(きよ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後(はいご)の香を薫す

※恋の歌だけでなく、こんな歌もあります。と今回「蟹の歌」を紹介されていましたが、こちらは割愛いたします。

番組内で解説をしてくださった藤原茂樹先生の本がこちらになります。

NHKカルチャーラジオ 詩歌を楽しむ 藤原流 万葉集の歩き方 (NHKシリーズ)

今回は万葉集における「恋愛」の記事でした。

恋愛は自分を見失うほど、好きな人に心奪われ、笠女郎(かさのいらつめ)の歌にもありますが、まるで波のように、自分の気持ちを止めることもできず押し寄せる気持ちに翻弄されてしまう。

そんな人々の気持ちがちりばめられている万葉集は、いつの時代も共感を呼ぶのでしょう。

現代の恋愛ソングも同じですね。自分の気持ちと重なる歌詞を耳にし、味わい、悩み苦しみ、時には舞い上がる。

以上、読んでくださりありがとうございました。

今日も良い一日になりますように。

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