あの人と縁を切りたい。加藤諦三著「嫌いなのに離れられない人」

グリーフケア・スピリチュアルケアの活動に携わっていると、「愛する人を失って辛い」という訴えを聴くのが普通になります。

遺族会に来られる方の多くは、大切な人を亡くし、もう二度とその人には会えない、でも会いたいという愛しているからこその痛み苦しみを訴えられます。

死別というのは人間生活を送る上でも最も辛く、深い悲嘆を抱える出来事であり、愛しているがゆえ、別れの苦しみ悲しみは深くなります。

一方、生きていると逆の苦しみを味わうことも多々あることでしょう。

逆の苦しみというのは、「縁を切りたいのに切れない」「別れたい、離れたいのにそれが不可能」という苦しみです。

その人といることで自分が傷ついたり、不本意な行動をせざるを得なくなる。

我慢して、無理して、その人との関係を表面上はうまくいっているように見せることにエネルギーを注ぎ、楽しいとも嬉しいとも思わないのにそうすることがやめられない。

大人だけでなく、子どもにもいえることだと思います。

特に学校生活では毎日毎日同じ顔触れと接することになり、ある意味それは固定された檻のようなもの。

その環境、周りの友達や先生が自分のことを大切にしてくれて、ありのままの自分をさらけ出せる、リラックスした状態でいられるという子ばかりではありません。

友達に嫌われないように、本当の気持ちを抑え、しんどいのに無理をして合わせてしまう。

嫌がらせを受けているのに、報復が怖くてそれを嫌だといえない、大人に相談することで余計に悪化することを恐れてしまう。

いやなことをされても、面と向かって立ち向かう勇気が持てない。

自分が仲間外れにされるのが怖くて、本当は嫌なのに一緒になって誰かをいじめてしまう。

このような悩み、苦しみを抱えている子どもたちは多いのではないでしょうか。

大人であってもこんな苦しみを抱えていたらうつ病や適応障害など心身の症状になって現れることでしょうし、アルコールをはじめ色んな物への依存も避けられないかもしれません。

本当は離れたいのに、離れられないという状態は「依存」ということができます。

依存というのは、喜びからその対象にはまるというのではなく、自分にとって害、自分を傷つけるものであるにも関わらず、自分の中の満たされないある感情を満たすもの。

今回は加藤諦三先生の本「嫌いなのに離れられない人 人間関係依存症の心理」を紹介します。

まずは目次をご覧ください。

はしがき

第1章 それは愛か、依存心か

依存心と敵意

何が怒りを生むのか

依存心の正体

心の土台が憎しみの人

不安に立ち向かう勇気

「嫌われたくない」という感情

好かれたいから無理をする

無理をするほど心は壊れていく

依存心の強い人の三つの傾向

「こうして欲しい」という願望が不満を呼ぶ

自分のことが嫌いなのに、硝酸を求めている人

なぜ周りの人がみな嫌いになるのか

第2章 愛する人への憎しみはなぜ生まれるのか

淋しさと劣等感が人間関係を複雑にする

しつこい怒りを消すには

自分の感情を直視せよ

人が苛めよりも恐れていること

心に問題がある人が使う言葉

自己実現できない人が抱える怒り

どこまで相手の「期待外れの行動」に耐えられるか

なぜ少年は両親に殺意を抱いたのか

「外面だけいい人」は最も厄介

最愛の人に対する最大の憎しみ

全ての人に好かれたい願望

誰とつきあっても不満になるのはなぜか

好きなことをしていれば素直でいられる

近ければ近いほど素直になれない

浮気をされても離れられないのはなぜか

「あなたさえ幸せなら、それでいいの」の心理

幸せの第一歩は喧嘩から

大切なのは「私はこうなりたい」という思い

独占欲との向き合い方

優しいからこそ憎まれる人

恋愛が地獄に変わるとき

第3章 恋愛と人間関係依存症

好きで始まった恋、不安で始まった恋

破綻の原因はどこにあるか

不安を解消するための恋愛はうまくいかない

別れが人生の破滅のように感じられるとき

傷つけ合う二人の特徴

自分を信じない限り、不安は一生続く

なぜあなたは裏切られても耐えるのか?

夫の裏切り

「自己無価値観」からの結婚の危うさ

夫への抑圧された憎しみ

「信じる」という言葉の後ろにあるもの

別れる勇気

見捨てられる不安とどう向き合うか

過去の出来事に人生を支配されてはいけない

第4章 なぜ、親子なのに憎しみ合うのか

子に愛を求める親

「親子の役割逆転」という現象

躾という名の苛めを繰り返す

心理的に殺される子ども達

夫婦関係の良さが阿木

人の心はどのように破壊されていくか

親が不安定性愛着である場合

「愛」という仮面をかぶった幼児性

家族への恩着せがましさが生まれる瞬間

「仲の良い家族」の真実

家庭内差別の恐ろしさ

家族という幻想共同体の空虚な一体感

自分の強さを信じなさい

親の敵意から耐えた者の強さ

常に心の中にある罪の意識

自分が嫌いな人のための解決法

あとがきに代えて

 

目次にざっと目を通すだけでも、自分を抑え、他人に合わせて生きてきた方にとって自分のことのように感じる部分があったことでしょう。

私自身、過去の自分とも引っかかるような内容が書かれてあったので、抜粋します。

 

p.105

幸せの第一歩は喧嘩から

「嫌われるのが怖い」というのは、他人を恐れているからである。

なぜ恐れるか?

それは弱いから。

心が弱いとはどういうことか?

それは依存心が強いということ、心に葛藤を抱えているということである。

それは不安だから一人で生きていく心理的能力がないということである。

依存心が強い人が、パン屋さんにパンを買いに入った。

買おうとしたパンを指さした。

それを取った売り子が目の前でパンを床に落とした。心が弱い人は、その落としたパンでも買ってしまう。

「床に落としたのではない、別のパンにして」と言えない。

第三者から見ると、どうしてきれいなパンと代えてもらうよう言えないのかと疑問に思うかもしれません。

自分には価値がない、他者の基準に合わせることが正しいこと、という無意識での思い込みを抱えていると、自分の感じたありのままを表現することがいけないこと、罪なことのように感じてしまうのです。

そのような行動を繰り返すうちに、自分の心をも騙し、本当はどう感じているのか自分でもわからなくなっていきます。

パンの例のみならず、相手に傷つけられ、利用されているだけなのに辛い恋愛関係を解消できない人も根本は同じ問題を抱えています。

加藤諦三先生の本は平易な言葉で書かれているため読みやすいです。しかし言葉の表面的な表現にとらわれると、本当に伝えたいことからずれた解釈をしてしまいます。

誰もが読める本でもあり、多くの人が共感を持つのではないでしょうか。しかし心の深い次元まで下りないと本当の意味で理解できない箇所もあります。

それだけ本質を突いた内容かと思います。読み手自身も深く心と向き合ってきた体験が必要だとも感じます。

この本を読むことで、「嫌いなのに離れられない」「縁を切りたいのにできない」といった自己矛盾を抱える心の理解が進むでしょう。

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